『赤とんぼ』(愛する)寺山修司少女詩集

寺山修司*詩

☆角川文庫

●赤とんぼが印象的で哀愁感をかもしだす。さみしい気持ちになる。

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自分の気持ちをもてあます
あまりにふくらんで
空に投げたら投げ返される
地に投げてもやっぱり跳ね返る
海に投げたら溶けて泡になった
そうかここは自分が生まれたところだ
何度もふくらんだ思いは伝えたくて、でもできない
行き場のない意識を持ったコトバのかたまり
だから何度でも何度でも海に溶かそう
海の泡となったコトバを波よキミに届けておくれ
だから海に行って波の音を聞くとせつなくなるんだよ
(海より・10/02/10・hiroc8)